10 モスタル 1/2
美しいのは分かっていた。しかし、これほどまでとは。バーナードショーがこの世の天国と言ったのがうなずける。俗っぽいが、美しいのだから仕方ない。旧市街を囲む2キロ弱の城壁の上を、カメラ片手に歩き回った。ドゥブロブニク旧市街は、プラツァ通りと呼ばれるメインストリートが、中心部のルジャ広場まで続いていて、その両脇には、観光客向けのショップやらカフェやらが立ち並んでいる。もちろんビルトイン形式。坂や階段の多い裏路地が各方角に続いていて、旧市街の中で進行している現在の人々の暮しを感じることができる。また、要所要所に大聖堂やら修道院やらもあって、一大観光地として不足がない。ちょっと長いけれど、城壁を一周すれば、そんな風に全貌が見えてくる。さすがに足も疲れてきて、裏路地のカフェで待っていたブランコと合流。カメラの液晶を見せながら冷め止まぬ感動を伝えた。砂糖多めのカプチーノを飲みながら一息ついて。さて今日はどこへ行こう。
以前から抱いている、この地で起きた過去の内戦への興味は、すでに確実なものになっているけど、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの主要都市をいくつも回るには、さすがに日程がタイト過ぎる。ここは欲を出さない方がよさそうだ。明日には首都ザグレブにいたいから、その道のりを考えると、南部の都市モスタルに的を絞るのが賢明かもしれない。ブランコの話では、モスタルへは二時間程、サラエボへいくには、そこからさらに二時間程かかるらしい。サラエボは次回以降にお預けだ。
モスタルの町へは、アドリア海に注ぐネレトバ川を上流方面へ車で二時間。ブランコのルノーの場合はそれより十五分ほど早い。その道のりは、これまでクロアチアの海岸沿いで見てきた景色とはだいぶん印象が違う。ときどき出現する小さな村は、気のせいかどこか物悲しく映る。ネレトバ川の中流域に差し掛かったあたり、西からくる支流との分岐点に架かる橋を過ぎると、視界が一気に開けて、モスタル国際空港が見えてくる。滑走路は一本。周辺が農地ばかりだから、離れた位置から見ると不毛の荒野のように映る。ここまで来れば、モスタルの町はもう目の前だ。
つづく
Mateo=Rich



赤煉瓦屋根に石畳。
返信削除どうしてこうも惹かれるのか?
美しい。
「俗っぽいが、美しいのだから仕方ない。」
いいんです。
美しいものは美しいんですから。
しの
海のある街に赤レンガの石畳の建物が並ぶ光景。
返信削除確かに美しく惹かれてしまいますね。
>カメラの液晶を見せながら冷め止まぬ感動を伝えた。
現代人を思わせる一文です。
城壁から一望する風景はまた格別なんでしょうね。
人生に一度は行ってみたいです。
人生観変わるかも!?
MrYujician