2011年3月21日月曜日

2011.03.19 「回転木馬 二」〜シューマンに寄せる物語〜

2. 異国とその人々の話

 その頃は森にはまだたくさん動物が暮らしていて、みんな女の子の友達でした。森の家は町から遠く離れていたので、同じ年頃の子供がいなかったのです。
 ある暖かな春の日の午後、隣の空き家にひとりの音楽家が越してきました。毎日ピアノやヴァイオリンの音が聞こえます。それはそれは美しい音楽で、女の子は夢中になって耳を傾けました。
 ――音楽家はどんな人かしら。きっと素晴らしい人に違いないわ。
 女の子は期待に胸をふくらませて、出会うのを待っていました。しかし、何日たってもその姿は見えません。音楽家は、カーテンを引いた部屋の中に一日中閉じこもっているのでした。



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つづく
しのはずり

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