20 アウェイ感
フライト待ちの空港ロビーで、特に何をということもなく待ち時間を過ごす。ザグレブ空港は特に興味深いショップがあるわけでもないし、旅の土産を大量購入する柄でもないから時間を持て余してしまう。ふらふらしていたらよくあるブランド品のセレクトショップがあったから、ブランコが愛用していた様な大き目のサングラスを買おうと物色した。これも一つ、旅の思い出になればいいと、レイバンを一つ奮発。確かブランコのレンズは真っ黒だったけど、黒髪の自分にも似合うように茶色のレンズのものをチョイスした。レンズの色以外はブランコ仕様、ザグレブ流だ。さっそく装着して今度はお菓子などの食料品が並ぶゾーンにやってきて、こちらは買う気もないのに物色した。子どものころから思っていたけど、海外のお菓子のパッケージからは、気品を感じない。どこか大味で、購買意欲をそそらない。味も含めて、日本の繊細な感覚は、世界に誇れるような気がする。そんなことを考えていたら、なんだか日本が恋しくなってきた。
残念なニュースはその直後に入った。決して珍しいことではないのだろうけど、ミュンヘン行きの便が大幅に遅れるという。ルフトハンザ航空の説明では、夕方のミュンヘン発成田行きの便に乗れるかは、行ってみないとわからないらしい。お菓子から始まる故郷への思いで、センチメンタルになっていた心は、何とか持ちこたえているけど、正直しんどい。そんなタイミングでたたみかける様に、軍服のクロアチア兵が集団で前を歩いて行くから、アウェイ感はピーク値付近で大揺れだ。こちらがひるめば、その妙に冷静で鋭い視線にロックオンされそうな雰囲気がある。ブランコ仕様の大きめのサングラスが、幾分動揺を隠してくれたのは唯一の救いかもしれない。それにしても、鍛え上げられたがたいと軍服の組み合わせには、異様な威圧感があるもので、いざという時には命をかけなければならない軍人には申し訳ない気もするけど、とてもじゃないがいい見た目ではない。
旅も大詰め、帰国の空港ロビーにて、母国日本との距離感がつかめない。
つづく
Mateo=Rich
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