21 帰国の途について
ようやくのアナウンスで小型機に乗り込もうと外へ出て、乗客の列に紛れて歩く。いつからか雨が降っている。なるほどフライトの遅れは悪天候によるものだったか。海外ではどうしても言葉が不自由だから情報が不足しがちだ。しかし悪天候でのフライトとなると、飛行機嫌いの人間にはつらい。行きと同様、景色を楽しむ余裕はなさそうだ。数時間遅れでようやく離陸したものの、予想は的中、シートベルト装着ランプは灯りっぱなしで機体はグラングラン。これじゃまるで絶叫マシーンじゃないか。ミュンヘンまでの一時間強がずいぶん長く感じた。おかげさまで機内でのことは、ほとんど何も覚えていない。ただ怯えて座っていただけだ。
何とかたどり着いたミュンヘンは、今日も雨。上空は荒れていたのに、地上はしとしと小雨。機体のエンジン付近では、雨が蒸発して湯気が上がっている。濡れた路面を歩いて航空会社のカウンターへ。大幅に遅れてしまったから、とっくにあきらめていた今夜の成田行きだったけど、こちらは朗報、待っていてくれたみたいで何とか接続できた。辛いのは、煙草を吸う暇もなくロングフライトにいどまなければならないことくらいか。成田までの所要時間は12時間弱。到着予定は、日本時間で夕方4時前後の予定だ。
何とか無事帰国の途について、離陸待ちの座席にもたれかかる。肩の力が抜けて、ようやく気持ちが落ち着くのを感じた。ゆったりビールでも飲むとしよう。
つづく
Mateo=Rich
0 件のコメント:
コメントを投稿