22 ビジネスクラスプアー
ビールを飲んだからうとうとしてくる。時差対策もあって食事が終わるまでは眠るわけにはいかないと踏ん張っていたけど、いよいよ厳しくなってきた。国際線ではお馴染みの先取り映画でも見ようかとモニターを操作すると、いったいこれはどうしたことか、うまく再生できない。あの手この手で試しても回復しない。これはお手上げだとフライトアテンダントに修復を要請したけど、彼女たちにもこれはお手上げのようで、とうとうパーサーが出てくる展開となった。当然ながら一度飛び立ってしまった機内では、打てる手段は限られているようで、誰が出てきたからどうにかなる事態でもなさそうだ。さすがにこちらも大人だから、あきらめようと思っていたその時、願ってもない提案がパーサーから伝えられた。なんとビジネスクラスに移らせてくれるという。想定外のランクアップだ。こいつはありがたいと二つ返事で了承した。
案内されるままに、機体の前へ前へと進んでいく。すると現れたゆとりの空間。貧乏根性丸出しで踊り出しそうな気分をぐっと抑えて、広く柔らかなクッションに全身を沈めた。悔しい気持ちもあるからあまりこんなこと思いたくはなかったけど、正直これほどまでに違うものか。こんなに快適なら、いつまででも飛んでいたい。食事はいったい何を食べさせてくれるんだい。
オーケイ とりあえずプリーズ ビアープリーズ
キリッと冷えたドイツ産を頼むよ
貧乏根性が止められない。
つづく
Mateo=Rich
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