ニブラ-11.04.10
西へ向かった。西方は山間部。最高峰ははるか向こうで、とてもたどり着けそうな距離ではない。裾に広がる森がその最高峰を囲むように広がっている。樹木の密度はまちまちで、山の地肌が見えるところもある。森は中心に向かって緩やかに上っているから、ある程度進めば周辺地域を見渡せる場所があるかもしれない。そんな風に考えて、今いる砂地と草木が茂る森の境界線までやってきた。鬱蒼とした森が奥の奥まで続いているのが見える。この位置から見る限りでは、程よく日差しが差し込む清々しい雑木林だ。しかしここは見知らぬ地の深い森の入り口なのだから、思わぬ危険が待ち受けているかもしれない。国も地域もわからないとなれば、想像を超えた生態系がはぐくまれていて、得体ののしれない獰猛な奴らが、足を踏み入れた瞬間に襲い掛かってこないとも言い切れない。ここはひとつ用心しなければならないと、息を大きく呑み込んで最初の一歩を踏み出した。特に異変はない。ならもう一歩と、少しずつ奥へ進んでいく。しばらくして振り向くともう入り口は見えなくなっている。それほど奥まではきていないはずだから、少し違和感はあるけれど、でもまあ、どうせ外の世界はただの砂地で、生活もままならないのだから、戻る必要もないだろうと再び前を向いた。よっぽどこの森の方が過ごしやすそうじゃないか。そう思いながら歩を進めていった。
つづく
Mateo=Rich
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