2011年4月15日金曜日

2011.04.14 ニブラ(連載中)

ニブラ-11.04.14

 みずみずしい空気に木漏れ日が心地いい。風はほとんどない。森の外には届いていなかった鳥の甲高い鳴き声が時折響き渡る。奥の方から聞こえているようだで、歯切れのいい鳴き声が不規則なリズムを刻むように聴こえてくるから、まるでこっちへ来いと誘われているようだ。特に何の気もなく、誘われる方向へ歩いて行く。奥へ奥へと。するとどうだろう、なんだか体が軽くなってきて、ふわふわと不思議な気分になってくる。まるで、大きなシャボン玉の中にでもいるかのように、視界が丸く歪曲して見える。森の木々がよけるように、前の方から道を開ける。あっという間に一本の長い道が森の真ん中を貫いて、これはもう進む他に案はないと思わせる。当然そいつにつられてとっくに歩きだしているから、今更何を拒むこともない。このままどこへ連れていくつもりだろうか。意識の奥の方へ、現実との境目は見失ってしまった。

つづく

Mateo=Rich

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